泌尿器科のがん
泌尿器科のがん
泌尿器科というと、がんのイメージはあまりないかもしれませんが、専門として扱うがんの種類は多岐に渡ります。特に「前立腺がん」の患者様は多く、現在日本の男性のがん種別罹患数としては胃がんを上回り最多となってしまいました。他にも、膀胱がん、腎盂尿管がん、腎細胞がん、陰茎がん、精巣腫瘍などが泌尿器科で診療を行っているがんです。
以下のような症状、検査結果を認めた方は、ぜひ一度ご相談ください。
痛みを伴わない血尿を契機に発見されることがほとんどです。高齢の男性に多い傾向があり、「喫煙」が発症のリスクを上げることが分かっています。
尿検査や腹部エコー、膀胱の内視鏡検査などで診断し、診断後は内視鏡による手術が必要になります。
腎盂・尿管がんは、腎臓で作られた尿が膀胱まで下りてくる間の通り道である腎盂や尿管に発生するがんの総称です。膀胱とは“地続き”のため、「尿路上皮がん」という同じ組織型のものがほとんどです。
やはり血尿を契機に発見されることが多いですが、血がかたまったものが尿管につまった時には腰やわき腹の痛みが生じ“尿管結石に似た”症状が出ます。
腹部エコーやCT検査などで診断がついたら、内視鏡による精査のための手術が必要になります。
腎臓の実質から発生するがんで、先の「腎盂がん」とはまったく異なる性質を持ち、検査も治療も異なります。初期にはほとんど症状はなく、健診や他の病気のための画像検査などで偶然発見される場合がほとんどです。組織型は様々で、中には画像上がんと区別の付きづらい良性の腫瘍もあり、手術後の病理診断で判明することもあります。
画像検査で疑われた場合には、基本的に手術による摘除を行い、その結果によっては分子標的薬などでの追加治療を行います。
10万人当たりの発生率はおよそ1人と稀ではありますが、20〜30歳代という若年の男性に最も多いことが特徴です。痛みを伴わない睾丸の腫れや硬さに気づいて見つかります。
エコー検査や採血で精巣腫瘍が疑われた場合は、まず手術で腫瘍を摘除して病理診断を行います。CTなどの画像検査も行い、組織型や病期によって放射線治療や化学療法(抗がん剤治療)を行います。